「わたしたちは,誰かが著作権違反をして違法ファイルを共有することを奨励してはいない」とオペラ社の担当者は云う。だが,あの判決からわずか1週間後のこのリリースは,かなりのあざけり笑いが聴こえてくるようだが?
quote:オペラ社は自社のブラウザにビットトレントの機能を付け加えたテクニカル・プレビューをリリースした。つまり,オペラ・ブラウザを使っていれば,ほかのビットトレント・クライアントを起動しなくても,オペラだけでファイルのダウンロードと共有ができるのだ。消息不明者は,オペラのビットトレント機能がトラッカーレスでのファイル共有の基本的な事項をおさえていると述べている。
日本人ではそうでもないかもしれないが,ビットトレントの広がりはすさまじいものがある。あまりパソコンを知らない人のパソコンでも,すぐにウェブブラウザとメールソフト,そしてビットトレント・クライアントはみつかるものだ。それくらい,一般的なものとして認知を受けた。オペラは,ゴーファーやユーズネットのように,ブラウザが取り込んでいくひとつとしてビットトレントをあげ,すぐにこのテクニカル・プレビューに組み込んだ。
オペラブラウザをメインで使うかは,シェアウェアと云うこともあって微妙だと思うが,あちらこちらのトレントファイルの拡散には役に立つかもしれない。もともと情報の価値に違いはなく,単なるテキストであろうと,音楽ファイルであろうと,ソフトウェアであろうと,それらは全部同じものでしかなく,ブラウザはその情報を得るための道具としてある。ちなみに新しいオペラを起動しても著作権が面倒なファイルは共有しないようにとちょっとだけ出るけど,特に気にならずにブラウザとしてもビットトレント・クライアントとしても動作する。最初に忠告だけしておけばそれでよいと云ったが(過去記事),それとまったく同じことしかしてなく,どんなファイルをやり取りするかはユーザーの意思のみに責任がある。では,あのグロックスターとストリームキャストに対する判決は,いったいなんだったのか? かなりおかしな,ねじ曲がった社会が眼前に寝そべっているのが,みえてきている。
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